なぜ、絵を描くのか?

生理の課題

生理の課題

前回のつづき

生理用品以外にも、私の思う課題はたくさんあって、
もしかしたら、同じように思っている人は、多いかもしれない。

PMS(月経前症候群)について

痛みを無視する

PMSは簡単にいうと、生理に伴っておこる、身体的・精神的な症状や変化のこと。
http://pms-navi.jp/about/

これに苦しんでいる女性は、私だけでないはず。
まったく生理痛のない人もいるし、人それぞれ症状や程度には差があるけれど、
薬を飲んで痛みに耐えながら日常生活を送るのが、普通になっている。

私はこれは、どう考えても異常な状態だと思う。

「毎月のことだから」とか「病気じゃないし2-3日で治るから」などの理由で、身体の不調を無視してはいけないと思う。
そして無視していけないのは「自分自身」だけでなく「周りの人」も。

選択できる社会

「女性がPMSの時は休ませろ」と主張したいわけでは、決してなく。

薬を飲んで無理してでも頑張りたい人は、そうすればいいし、休みたい人は休めばいい。
PMSの存在を誰もが理解して、そういう選択ができる社会が、理想的だと思うのです。

どうしても休めない業種だとしたら、それでも仕事がしたくて入社した女性には、低用量ピルかIUDが選択できる福利厚生とか。
スカートにストッキングやヒールみたいな冷える服装を強要しないで、そういう格好をしたい人だけがして、そうでない人はシルクやウールのあったかいレッグウォーマーや腹巻きを着けて仕事する、とか。
社会人だけでなく、もちろん学生も。そしてもはや性別やPMS関係なく、それぞれの体質で。

勝手な淡い妄想だけど。そんな社会、素敵だと思う。

なくならない「タブー感」

自他ともにPMSを無視する原因の大きなひとつは、
まだまだ生理が「タブー視」されていることだと思う。

以前に書いた「生理の貧困」問題などから、徐々に解決に向かっていけばいいけれど、
いま現在は、老若男女を交えて日常的に生理の話題に触れることは、ほぼないと思う。
ちなみに「ツキイチ!生理ちゃん」は、可愛くて面白くてサブカル要素があってオープンで、すき。

こちらについても「全員と生理について議論させろ」と言いたいわけでは、決してない。

例えば風邪や、気圧によって起こる不調なんかと同じような感じで「もうすぐ生理なので」とか「今日、生理痛がひどい」とか言えたら、なんて楽だろうと思うのです。

以前、ある会社に勤めていたとき。
生理前で猛烈に眠く、会社の男性の方に「風邪ですか」と聞かれて、「いえ、ホルモンの影響で」と答えた。
あやふやに誤魔化すよりはわかりやすいと思って、人に伝えるときいつもこう言う。
彼はすぐに理解したようで「やっぱり眠くなりますか」「4-5時間昼寝しちゃったこともありますよ」みたいな会話が普通に続いた。
でも、こういう話題の苦手な女性以外の方は、やはり少し気まずそうにする。

タブー視されていることによって、ただでさえ具合がわるい時に、さらにそれを「隠さなくてはいけない」そして「我慢しなくてはいけない」って、現代の沙汰ではない。そう思うのです。

もし、そんな風に無理をし続けた結果、病気になったりしたら…と考えると、本当に辛い。
そしてもし、タブー感をなくづことが出来たら、お互いに気まずい思いもしなくて済むのになぁ、とも思う。

性教育について

「タブー視」の原因の大きなひとつには、性教育のあり方も、関係すると思う。

男女を分けて授業をする学校は、現在でもあるのかな。
PMSの存在とかタンポンの危険性とかについては、きちんと教えられているのかな。

そう遠くない将来には、男女どちらもがきちんと知っておかなくてはいけない大切なことなのに、
学校で、女子だけが詳しく教わるのは、なぜだろう。

私は教育について詳しくないし、思春期の頃ってすごくデリケートだし、
クローズドなやり方が続けられている理由が、きっとあるのだろうけど。
でも、素朴に疑問に思うことが、とても多い。

人生の中の、この思春期の大事なポイントで、正しく教わることができたら、世の中は変わっていくと思う。

男女一緒に授業ができない理由があるなら、
別室だったり学年の時間差だったりで、でも、どちらも同じ内容の授業をするとか。

中にはPMSで起き上がれない人がいたり、自分の本意に反する言動をしてしまう人がいたり。
そしてそういう時、女性とそれ以外の人は、どう行動するべきかということを、
もしその年齢のときに、大人に教えてもらえたら。

SHELLYのお風呂場」っていうYouTubeチャンネルで、出産も経験済みのSHELLYさんが、すごくオープンにいろんなことを話されてて、いいなぁ!と思った。
「性教育」っていう切り口が、素敵。
もっともっと色々な話題に触れてほしいし、学校や家庭での教育でも使えるような動画も、作ってほしい。

つづく

絵:シロツメクサのスケッチより一部 2020 紙に水彩