なぜ、絵を描くのか?

生理用品の無料提供が始まる

生理用品の無料提供が始まる

スコットランドの法律

「生理用品が無料だったらいいのに」という考えは、
多くの女性の頭に、一度はよぎることだと思う。

生理用品に限らずコンドームや、着用が義務付けられている場所でのストッキングなんかも「必要なのにも関わらず消耗品で、お金がかかり続ける」と知人友人とボヤいた経験が、実際に私にもある。
(ちなみに私は別の理由も含め、ヌードカラーのストッキングがとてもにがて。)

2020年の秋に、スコットランドが生理用品の無料提供を始めたというニュースを見て、素晴らしいと思った。
スコットランド、生理用品を無料で提供へ。「生理の貧困」をなくすための画期的な法律

生理用品を非課税にしたり、学生に無料配布したりする国があるということはそれまでにも聞いたことがあったけれど、
スコットランドの新しい法律のミソは
「必要とする『全ての人』に、生理用品を無料で提供する」
ということ。

女性が負う、生理のリスク

生理って、保健の授業で習う通り「いつか妊娠する時のための準備」であり、とても大切な身体の仕組みであるけれど、
それにしても日常生活での負担が大きすぎる。

個人差はあるけれど、PMS(月経前症候群)が重症な人は、
ベッドから起き上がれないほどの不調があったり、さらにはそれが数日間も続いたり。
ホルモンによって気分の制御ができずに、本来の自分の意思とは別の言動をしてしまうので、
それによってパートナーを傷つけて、ホルモンのせいとは気づかずに、離婚してしまう人もいるらしい。
そもそも1ヶ月に一度必ず、1週間も血が出続けるって、不条理すぎて泣けてくる。

人間を作った神様がいたとしたら、身体の仕組みをとても精密にデザインしてくれたことには感謝するけど、
生理については「他に方法、なかった?」と尋ねたい。

何年か前に、スプツニ子!さんが低容量ビルについてプレゼンテーションしている動画を観て、驚いた。
(動画を見つけられなかったのですが、最近のインタビューの中でも、同じ内容のことをお話されています。)

要は
「生理の回数を減らすことが出来る低容量ピルを、日本は他の先進国より40年遅れて承認した」
という話。
低用量ピルの効果にも、承認が遅れた理由にも、男性用の薬との比較にも、とにかく仰天した。

そろそろ女性が、1年間を365日めいっぱい楽しめる時代が、来てもいいと思う。

日本での、生理用品無料提供の始まり

兵庫県明石市がもうすぐ、主に学生へ向けての生理用品の無料提供を始めるらしい。
明石市が生理用ナプキン無料提供 市立学校や公共施設で4月から

きっかけがコロナではあったけれど、こういう動きがようやく始まったということが、嬉しい。
ここからまずは、苦境にあった方々の成功体験が広まって、当事者の女性以外にもこの「生理の貧困(Period Poverty)」問題に目を向ける人たちが増えていったらいいな、と思う。

ところで、かくいう私は、生理用ナプキンを使っていない。

数年前までは、煩わしいと思いながらも当然のように使っていたけど、
2017年頃にLauren Wasserさんの、タンポンの利用によって両脚を切断した記事を読んで、ショックを受けた。

苦しんだ挙句に、両脚を切断するまでになるなんて。
しかも原因が、毎月使うタンポンだなんて。

その辺りから、肌との接地面が石油由来の、使い捨ての生理用品を使わなくなった。

つづく

絵:ベコニアのスケッチより一部 2020 紙に水彩