ドイツで学んだ、水と、価値観のはなし

ドイツで学んだ、水と、価値観のはなし

以前の記事で、「電気や水や他の資源が『無限』であると信じている人が多いように思う」と書いた。

また、ドイツ滞在中のエコに関する学びも、こちらの記事で触れました。

いろんな方面で学びがあった中で「水」について、
そして、書いているうちに飛躍しまして「価値観」についても。ドイツでの体験を軸に。

ビールより、水の値段が高い?

ドイツについて、よくそんな風に耳にします。

席に着くと自動的におしぼりやお冷やがいただける日本とは違い、ドイツでは、水も他のドリンクと同様に、お金を支払って購入するもの、という風潮が強い。
近年では、食事客に水を無料提供する動きがゆっくり進んでいるそうですが、私がベルリンに滞在した2015-2016年、体感的にはほとんどのお店が有料だったし、水道水でさえも有料のお店もあった。

「水よりビールが安い」というのはきっと、ドイツでビールやオクトーバーフェストが有名であることと、レストランでのそういった有料の水なんかの話を混ぜて、そんな風に揶揄されたのかな、と思う。

実際には、当然ビールの値段はピンキリ。水も無料から数百円までさまざまなので、比べられない。

食洗機が基本装備

ドイツ滞在の1年間に数カ所で、WG(ヴェーゲー)と呼ばれるルームシェアのアパートに住んだ。

私が住んだどのアパートにも、友人知人の住む家にも、
必ずキッチンには、ビルトインの食洗機があった。しかも、かなり大きい。

あるアパートで、サラダか何かを作って食べた時。

洗い物が少ないので食洗機に入れずに手洗いしていたら、一人のルームメイトに「水がもったいないから手洗いしないで」と言われた。
彼女いわく「手洗いで毎回洗うより、食洗機がいっぱいになるまで洗い物を溜めて一度に洗ってしまう方が、水の節約になる」らしい。たしかに、いっぱい洗い物を溜めるためか、お皿やカトラリーが、ものすごく多いアパートだった。

手洗いのやり方にもよると思うし、彼女のいうことの真偽は曖昧だけど、
彼女はドイツ人だったし、エコを心掛けるのが日常だったのだろうと思う。
また、単純にドイツは水道料金が高いので、それもあるかも。

彼女にそう言われてなるほど、と思い、帰国後しばらくして、我が家にも食洗機を導入した。

それに何より、「もったいない」とか「エコじゃない」とかきっぱり言えることが、かっこいいと思った。

それぞれの価値観

日本は島国であって、そうでない国とは水に対する価値観が違ってくるのは想像できるけれど、それだけではない
「地球のために」という意識がドイツ人には強い、という印象だった。

私の出会った人たちは、環境問題についてよく知っている人が多かったし、友人同士の会話でも、普通に話題に上がった。

価値観の話でいうと、これは決してドイツ人に限ったことではないけれど、
世間体や周りからどう思われるかを、それほど気にしないのも印象的だった。

これは私にとっては、ものすごく居心地が良く解放感を感じたことで、ここにたった1年間でも、住むことができてよかったと、思えたことのひとつだった。

自分の価値観で、自由な格好をするし、結婚や出産、老後の生き方も、
多数派がどうであるから、など全然関係なく、それぞれの価値観に従って選択する。

もちろんそういう人ばかり、というわけではないけれど、私がそれまで暮らしていて疑問だったり窮屈だったことの、解決方法を教わった気がしたし、そこからいろんな考えに及ぶことが出来た。

私はこれは、人の、ひいては表現者の、あるべき姿だとも思う。

自分が自由な分、他人のことも、縛らない。見かけや肩書きで、判断しない、比べない。
価値があると思うことを、揺るがさない。

そういうことを基準に生きる人でありたい。

自分の価値観を重視する人たちが、環境や社会の問題にきちんと目を向ければ、おのずと全体の意識が高まっていくだろうし、
「みんながやっているから私も」とか「周りの目が気になるから」という理由で何かを始めたのちに生じる歪みとか、本来の目的を見失うような現象が起こらず、
「地球のために」という目的のブレない、いい状態になるのだろうな、と思う。

写真:今日のyogi tea