なぜ、絵を描くのか?

秘境を求めて

秘境を求めて

以前に、彼がカヌーを購入したことを書いたけれど、じつはまだ、我が家にやってきてから出番がなかった。

自宅の周りの湖は、貸しボート屋さんはたくさんあるのだけれど、自艇を浮かべられる場所が、どうやらなかなか無いみたい。

ざっくり調べたところ、一番近くても、山中湖や河口湖。
日帰りで気軽に行くには、ちょっと遠い。

気温も高くなってきて、彼は早くカヌーに乗りたくて、うずうず。

リサーチの鬼らしく一生懸命に調べたようで、ボートが出せそうなところを、自宅から近い場所で、見つけたらしい。

「秘境を見つけたかもしれないから、様子を見に行ってみよう!」

「秘境」というワードにわくわくする私。

ということで出掛けた、週末の日のこと。

ひとつめの秘境

日曜の朝、いつもより早く起きて、彼は釣りの準備、私はスケッチの準備。

彼に連れられるままに、ある場所へ到着。
時間は、ちょうど7時くらい。

広い場所に車を停めて、ハイキング気分で林の中を進む。

まだ涼しくて、気持ちがいい。

ずっと轍があるので、車で入ってくる人が多い様子。

途中、いくつか分かれ道があって、そのうちのひとつの方へ、進んでみる。

水の見えるあたりまで来ると、前夜から一人でキャンプをしていたらしい方が、気持ち良さそうに歯を磨いている。

カヌーや釣りだけでなく、キャンプの可能性を目の当たりにして、ほのかに高まる私たち。

そこからもう少し進み、草が倒されている場所があったので、水辺の様子を覗いてみる。

地図上では、すぐ近くに公道があるようだけれど、そんな風には感じさせない、広々感。

彼は、すかさず試し釣り。

アオサギが二羽、仲良く飛んでいた。
サギって、堂々としてかっこいいから、好き。

再び分かれ道へ戻り、今度は別の道を行ってみる。

うちの近所にも大木がある、合歓(ねむ)の木。
合歓の木も、形も色も可愛くて、ふわふわして、大好き。夏になって咲き始めると、嬉しくなる。

中央にいるのは「ゴマダラカミキリ」という虫。

彼の子供の頃から好きな虫だそうで、以前にイチジクの木の中で見かけた時は、大興奮で捕まえたけれど、この日は素速く逃げられてしまった。

だんだん陽が昇ってきた。

水の底が見えて、きれい。
こんな場所にカヌーを浮かべたら、気持ちがいいだろうなぁ。

小さな魚が泳いでいるのも見えた。

さらに進む。

時々車が停まっていたり、少しひらけた水辺では、ひとりカヤックを楽しむ人がいたり。

それでも、休日にも関わらず、この静かさ。
虫と鳥と、風の音しか聴こえない。

時間帯が早いこともあるかもしれないけれど、大勢で遊んでいるような人もいなく、皆さんおひとりで、それぞれ自然を楽しみに来ているよう。

ふむふむ、ここなら水の近くに車を停めて、カヌーも出せそう。

手応えを感じたところで、もうひとつのスポットへ移動。

ふたつめの秘境

先ほどの場所から車ですぐの、もうひとつの船出候補地に到着。

こちらでも、まずは広めな場所に車を停めて、歩いて林へ入ってみる。

鬱蒼としているけれど、ここでも轍を確認。

ところどころに、車も停まっている。

ずんずん進んで、ひらけた場所へ出た。
水辺のほとりに、民家や道路が見える。


どこかで、ドローンかラジコンを飛ばしているような音も聞こえる。いろんな楽しみ方があるんだなぁ。
でも、こちらも先ほどと同様人が少なく、とても静か。

彼が釣りに出かけたので、私も草の上に座って、絵の具をひろげる。

カヌー購入前にも、ボートを借りたり、歩いて水辺へ行ったりして、

彼が釣りをしている間にスケッチをすることが多かったので、そんなとき用に用意しておいた、STOCKMARの絵の具パレット。

普段使っている6色絵の具より色数がたくさんあって、なんと、黒と白も入っている。

あとは水と絵筆さえあればいいので、荷物がかなりコンパクトにできる。

実際にアウトドアで使ってみると、思った通りすっごく使いやすくて、さらに気に入った。

彼はいつの間にか、足首まで水に入って、釣りに熱中し始めていたみたい。

まわりには日陰が全然なく、絵を描いている背中が、日光でじりじりと暑くなって来る。

さらに真昼の陽が近づいて、ランナーズハイならぬペインターズハイになりそうなところで、彼が戻って来た。

至福の昼食

この日行ったふたつの場所は、私たちが求めているポイントをきっちりクリアしていて、人出も少なく、船出スポットとしては、どちらも大合格。

いい場所を見つけることができ、大満足で帰路へ。

朝からハイキングしたり、日光に当たったりして、お腹ぺこぺこ。

昼食には、ザ・町中華、という感じのお店「はつみ」さんへ。

引っ越したばかりの頃に不動産屋さんに、美味しいよと教えてもらい伺ったことがあり、今回で2回目。
なんと、50年近くの歴史があるらしい。

私は、アジフライ定食を。
写真が食べかけですみません。

はつみさんは、何をオーダーしても、ボリューム満点。
この日も、大きなアジが二尾ものっていて、驚いた。

ほどよく疲れた体に、染みた〜。