なぜ、絵を描くのか?

庭しごと -掃除編5-

庭しごと -掃除編5-

前回のつづき

前回のようす

丸い庭木はすべて、根っこを残して伐採完了。

それまでの伐採中、私はずっと、根っこ問題で悩んでいた。
こんなに立派で深そうなのに、果たして人力で掘り起こせるのだろうか…?

掘り起こし

この日の朝食の後、彼が庭でなにか始めたので行ってみると、

なんと根っこの掘り起こしを始めてくれていた。

まずは周りの土を掘ってどかしていく。少しずつ少しずつ、根があらわになってくる。

まるっと取り除くとなると、庭をひっくり返さなくてはいけなくなるので、極太の根っこは、枝切りやのこぎりで切っていく。

土台の方がゆるくなって来たところで、シャベルでてこの原理で持ち上げたり、ぐりんぐりんと回したり引っ張ったりして、土から抜いていく。

想像していた通りの、すごい根っこが出てきた。

土の方も、ぽっかりくぼみが出来て、塀のコンクリートが見えてきた。

私も時々交代しつつ、この地道な作業をひたすら繰り返す。

でっかい石も、たくさん出てきた。

ナンテンの根

どんどん掘り進めるうちに、あっちこっちの根っこが、複雑に絡み合っているのを感じてくる。

なんとなくで残していたナンテンの、下の別の根っこを取り除いたら、
その根っこと周辺の土に支えられていたらしいナンテンが、ぐらりと傾いて、取れてしまった。

このナンテン、まさかコンクリートから生えているんじゃ…と、実は現実から目を背けていた部分もあったのだけれど、実際には、コンクリートにぴったり沿って根を張っていただけだった。よかった〜。

私たちで取ることが出来た根の全貌は、大迫力。
まるで彫刻作品のようで、かっこいい!

私たち夫婦が口を揃えて言った感想は、「使徒みたい」。
アニメの『エヴァンゲリオン』に出てくる「使徒」を連想したのでした。

土中の平和を脅かす私

根っこに付いていた土を落とすと、いろんな虫や幼虫が、これまで掘ったどこよりも、たくさん出てきた。
潤いがあってあったかくて、いい場所だったんだろうな。

以前に書いた「虫の目線」で土を掘っていると、虫が驚いて出てきたり、
起こしてしまった幼虫が寒いのか眩しいのか、蠢いていたり。

先ほどの『エヴァ』ではないけれど、まるで自分が、土の中の平和を脅かす、おそろしい怪獣のように思えてくる。

少なくともブログの「庭しごと」の掃除編では、ずっとそんな気分でやっているし、
山へ入ったり自然の中に足を踏み入れた時には、自分が異物として侵入しているような気がするので「お邪魔します」と言ったりもする。

時々庭で見かける子。ヤモリ?とか思っていたら、彼が「カナヘビ」と教えてくれた。
かわいいし、尻尾の色がきれい。

追記:かつてはカナヘビと呼ばれていたのは今で言うカナヘビではなく、日本列島のもう一つの代表種、ニホントカゲ(Plestiodon japonicus)のことでした。

https://tenki.jp/suppl/kous4/2018/04/28/28062.html

掘り起こした土の山に、小さい蝶が長い時間とまっていた。

うちの庭は、蝶でいうとこのグレーか薄紫色のようなのと、モンキチョウが、よく来る。

つづく